逆子について
はじめて出産されるお母さんも、お二人目、三人目あるいは、それ以上のご出産経験のあるベテランお母さんも、みなさまそれぞれに、妊娠・出産に対するお悩みや心配事がおありのことと思います。
妊娠してから出産まで十月十日(とつきとおか)と言われているように、妊娠期間は約10ヶ月です。
これだけ長い期間ですから、いろいろなことがあります。誰でもスムーズなお産をしたいと思われるのは当然のことでしょう。
妊娠期間中におこる症状には、つわり・妊娠中毒症その他様々あり、逆子もそのひとつです。
逆子になっていても自然に治ることもありますが、そのままの状態で逆子が治らなければ、帝王切開か骨盤位経膣分娩かを選ばなければなりません。
帝王切開はお母さんにとり、肉体的にも精神的にも負担が大きく、骨盤位経膣分娩は、出産中も出産後も赤ちゃんへのリスクが大きくなります。
そのため、誰しも自然分娩を望まれるでしょう。ですから、病院などでは、逆子体操などの指導がよく行われています。
しかし、逆子体操をしても治らない場合もあります。
逆子はからだのバランスが崩れたサイン
そもそも、なぜ逆子になるのでしょうか。
東洋医学では、お母さんのからだのバランスが崩れていることによると考えています。お母さんのからだのバランスが崩れていると、赤ちゃんは逆子の状態でいる方が楽なので、逆子になっているのです。
からだのバランスが崩れた状態を、東洋医学的な観点からご説明すると、逆子の原因として、以下のようなものが考えられます。
1.気滞
2.脾虚湿盛
3.気血両虚
では、どうしたら逆子は治るのでしょうか。逆子は、お母さんのからだのバランスの崩れによるのですから、お母さんの崩れたバランスを整えればいいのだと、東洋医学では考えます。
逆子のお灸
そのための治療として、「逆子のお灸」があります。昔から家庭でも行われることの多かった逆子のお灸は有名ですから、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在でも、その有効性から鍼灸院や助産師さんなどが逆子のお灸を指導しています。
逆子のお灸として使われるツボは、至陰(しいん)や三陰交(さんいんこう)が多いですが、お母さんの状態によっては、必ずしも、至陰や三陰交が有効とは限りません。
実際に逆子のお灸をする場合は、逆子になった原因やお母さんの体質・からだの状態により使うツボを決めるため、専門家の指導が必要です。
家庭でお灸をしようと考えている方は、必ず鍼灸院などで、専門家である鍼灸師にご相談の上、お灸をするツボに印をつけてもらい、先生の指示に従って行ってください。
刺さない鍼「打鍼」
逆子の治療には、お灸の他に、「打鍼」という刺さない鍼で治療する方法もあります。
打鍼は、金や銀などでできた直径5ミリ位の円柱形の鍼(もちろん皮膚に当たる鍼先は丸く平らです)を上腹部にあてながら、木の槌で軽くやさしくコンコンと叩き、腹壁の緊張を取り除きます。
実際はごくごく軽い刺激で、もちろん痛みは全くありません。そのため、からだへの負担は軽く、妊婦さんの治療だけでなく、乳幼児やお年寄り、過敏な方、消耗性疾患の方の治療にも使われます。
また、肩こりやぜんそくの治療で使うこともあります。先日も、長年の肩こりや不定愁訴で悩んでいた患者さまに、打鍼をして肩が楽になったと大変喜んでいただきました。
お腹は人間のからだで言えば、真ん中にあたる大事なところです。そのような意味からも、腹部打鍼術は、からだのバランスを整えるのに有効な治療法です。
当院の逆子治療
当院の逆子治療は、打鍼・逆子のお灸(至陰・三陰交以外の、その方に合った有効なツボを使う場合があります)・手足などに通常の鍼をする治療法など、逆子になった原因・体質・現在のからだの状況を考慮し、その方に一番良いと思われる治療法を選んで行います。
逆子治療は、できるだけ早く治療を始めることをお薦めします。押し迫った時期になりますと、焦りから余計イライラしたり、ストレスを感じ、気の滞りが著しくなり、益々からだのバランスを崩すことになります。出産のとき、気持ちにゆとりが持てるように、からだも心も整えていきましょう。
お母さんとお腹の中のあかちゃんのために、お母さんのからだと心を整えるお手伝いができればと思っています。
また、逆子でお悩みの方だけでなく、妊娠・出産にまつわるお悩みがありましたら、どんなささいなことでもご相談ください。